月

ひらがな

つき

説明

秋の月である。春の花、冬の雪とともに日本の四季を代表する。ただ月といえば秋の月をさすのは、秋から冬にかけて空が澄み、月が明るく大きく照りわたるからである。

俳句	俳人	季語	季節	分類	年	Total
古壁の穴や名所の秋の月	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文政8	0v
古壁やどの穴からも秋の月	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文政9	0v
名所や壁の穴より秋の月	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文政8	0v
名物や月の根岸の串團子	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治31	0v
君が代もおからが世をも月よ哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化11	0v
君が來る月の小道を見てやらん	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
吾に爵位なし月中の桂手折るべく	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
国々の八景さらに気比の月	松尾芭蕉	月	秋, 三秋	天文	元禄2	0v
城跡や月に黒きは何の糞	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治27	0v
塩汲の道々月をこぼしけり	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治25	0v
塩汲は去て人なし桶の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治26	0v
墓へ來て見ればさえけり杉の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治25	0v
墓原や月に詩うたふ聲聞ゆ	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
夕月やいかさま庵は姥が雨	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化5	0v
夕月や萩の上行おとし水	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化6	0v
夕榮やだまつて出たる峰の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治28	0v
夜〱やのゝ様いくつ云し月	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化13	0v
夜の月や坐禪の膝を松の影	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治24	0v
夜ル竊ニ虫は月下の栗を穿ツ	松尾芭蕉	月	秋, 三秋	天文	延宝8	0v
大あれのけもなき月の御山哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	享和2	0v
大方の月をもめでし仏かな	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化7	0v
大海原月眞丸に浮ひけり	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治27	0v
奥三河芋の葉にのる月夜かな	森澄雄	月	秋, 三秋	天文		0v
女窓に泣き夫馬上に思ふ月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治30	0v
姥捨た奴も一つの月夜哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化14	0v
姨捨ぬ前はどこから秋の月	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文政1	0v
婆ゝどのが酒呑に行く月よ哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化8	0v
実にや月間口千金の通り町	松尾芭蕉	月	秋, 三秋	天文	延宝6	0v
客ぶりや月に居並ぶ仏達	小林一茶	月	秋, 三秋	天文		0v
家孤なり月落ちかゝる草の上	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治28	0v
尻を出し頭を出すや雲の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治25	0v
山すだまに木魅答へて杉の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治31	0v
山のはや心で月を出して見る	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文政7	0v
山の子の持てる燈や月の道	阿部みどり女	月	秋, 三秋	天文		0v
山の月理屈の抜し御顔哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化14	0v
山の月親綱引子はおがむ	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化2	0v
山の池月取る猿も來ざりけり	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
山の端や海を離るゝ月も今	与謝蕪村	月	秋, 三秋	天文		0v
山姥や月戀ふ山の山めぐり	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治27	0v
山寺や月も一間に一ツづゝ	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文政8	0v
山寺や松ばかりなる庭の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治31	0v
山既に月吐くべきけしき哉	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治28	0v
山河古りていくさの跡の月凄し	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
山陰や月さす水の底暗し	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
山高く月小にして人舟にあり	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治26	0v
岡の邊や鳥飛んで月見えかゝる	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
岩崎のうしろを通る塀の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治30	0v
岩崎の横町淋しき塀の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治30	0v
崖上る月の歩みや夜は靜	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治31	0v
川上とこの川下や月の友	松尾芭蕉	月	秋, 三秋	天文	元禄5	0v
川留やむかふは月の古る名所	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文政6	0v
常不断通る榎も月よ哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化2	0v
干網の風なまくさし浦の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治25	0v
庵の月主をとへば芋堀に	与謝蕪村	月	秋, 三秋	天文		0v
廓の月奥の二階のさわぎ哉	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治26	0v
引網や渚の月に雑魚分つ	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
影は天の下照る姫か月の顔	松尾芭蕉	月	秋, 三秋	天文	寛文7	0v
待つ夜半や月は障子の三段目	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治24	0v
御月様いくつ昔の神の松	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化2	0v
御目にかゝるも不思儀也秋の月	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化10	0v
思ひなくて古郷の月を見度哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化4	0v
我らにも腰かけられし松の月	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文政6	0v
我上も青みな月の月よ哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化5	0v
我宿のおくれ松魚も月夜哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文		0v
戸をさして月にもそぶく住居哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	享和3	0v
手づくねの山の上より秋の月	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文政6	0v
手のものを取落しけり水の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治30	0v
投られし角力も交る月よ哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	享和3	0v
捨てられて見たし浮世の外の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治23	0v
掃溜を山と見なして秋の月	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化12	0v
敵といふもの今は無し秋の月	高浜虚子	月	秋, 三秋	天文		0v
日と月とかさなりあふて晝暗し	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
日と月の睨みあひけり西東	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治28	0v
日蝕に朔日の月そ見られける	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
日蝕に滿月の裏ぞ見られける	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
日西に晴れ月は東に曇りけり	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治26	0v
明く口へ月がさす也角田川	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化9	0v
明く口へ月もさすなり角田川	小林一茶	月	秋, 三秋	天文		0v
明日の月雨占なはん比那が嶽	松尾芭蕉	月	秋, 三秋	天文	元禄2	0v
星もなし月は長月十四日	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治27	0v
是程の月にかまはぬ小家哉	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化3	0v
時は秋月にや老を契られし	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治25	0v
晦日に月出ば君を忘れんか	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	寛政4	0v
晴れ過ぎて月に哀はなかりけり	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治25	0v
暗がりを出て来し人や月の道	阿部みどり女	月	秋, 三秋	天文		0v
更科や旅人見ゆる十日月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治30	0v
更科や月に落合ふ僧二人	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治28	0v
書に見ゆる長者が跡や草の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治30	0v
書に見ゆる長者の跡や草の月	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治30	0v
書よむや燈にとざす月の窓	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治26	0v
月ある夜鋸山に登りけり	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
月いづく鐘は沈める海の底	松尾芭蕉	月	秋, 三秋	天文	元禄2	0v
月かげや須磨の座頭の窓に入	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化2	0v
月こぼす水のはしりや竹筵	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治26	0v
月さしてちいさき藪も祭り也	小林一茶	月	秋, 三秋	天文	文化4	0v
月さすや几帳の上の眉許り	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治29	0v
月さすや留守になつたる燕の巣	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治26	0v
月さびよ明智が妻の話せん	松尾芭蕉	月	秋, 三秋	天文		0v
月ぞしるべこなたへ入せ旅の宿	松尾芭蕉	月	秋, 三秋	天文		0v
月と不盡一目一目のこよひ哉	正岡子規	月	秋, 三秋	天文	明治25	0v