阿部みどり女

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夏足袋をはいて酒気帯ぶ園主かな 阿部みどり女 夏足袋 夏, 三夏 生活 0v
夏霞小舟二艘は海女が漕ぐ 阿部みどり女 夏霞 夏, 三夏 天文 0v
夕づけば明るさ斑の春田かな 阿部みどり女 春田 春, 三春 地理 0v
夕日いま百株の菊に沈まんと 阿部みどり女 菊 秋, 三秋 植物 0v
夕東風に舟傾きて進みけり 阿部みどり女 東風 春, 三春 天文 0v
夕若葉かんしやく玉に驚ける 阿部みどり女 若葉 夏, 初夏 植物 0v
夕萩にまとふ羽織の匂ふかな 阿部みどり女 萩 秋, 初秋 植物 0v
夕霙明日の芝居のたのしみに 阿部みどり女 霙 冬, 三冬 天文 0v
外の灯が障子にさして旅の秋 阿部みどり女 秋の灯 秋, 三秋 生活 0v
夜の卓や光りあつめて林檎あり 阿部みどり女 林檎 秋, 晩秋 植物 0v
夜の明けし草木と我に飛燕かな 阿部みどり女 飛燕 春, 仲春 動物 0v
夜の音月下美人に吸ひこまれ 阿部みどり女 月下美人 夏, 晩夏 植物 0v
夜半の燈の我に親しき風邪かな 阿部みどり女 風邪 冬, 三冬 生活 0v
夜露の蓬搗いて八十八夜かな 阿部みどり女 八十八夜 春, 晩春 時候 0v
大いなる茶屋を囲める大枯野 阿部みどり女 枯野 冬, 三冬 地理 0v
大いなる門の内より春の蝶 阿部みどり女 蝶 春, 三春 動物 0v
大勢をたのみて土手を焼きはじむ 阿部みどり女 野焼く 春, 初春 生活 0v
大原の時雨るゝとあり初だより 阿部みどり女 初便り 新年 生活 0v
大坂の西日の屋根の重なれる 阿部みどり女 西日 夏, 晩夏 天文 0v
大幹を花の暖簾が打ちたゝき 阿部みどり女 花 春, 晩春 植物 0v
大木とベンチがありて冬の園 阿部みどり女 冬 冬, 三冬 時候 0v
大樽に糸瓜つけあり水澄める 阿部みどり女 糸瓜 秋, 三秋 植物 0v
大玻璃の霧家々を遠くしぬ 阿部みどり女 霧 秋, 三秋 天文 0v
大玻璃戸立てゝ枯蓮へだたりぬ 阿部みどり女 枯蓮 冬, 三冬 植物 0v
大空の一枚白く凍てにけり 阿部みどり女 凍る 冬, 三冬 時候 0v
大風によろめきながら汐干狩 阿部みどり女 潮干狩 春, 晩春 生活 0v
大風に羽織かむりて田螺とる 阿部みどり女 田螺 春, 三春 動物 0v
大風に閉ざす障子や蜆汁 阿部みどり女 蜆汁 春, 三春 生活 0v
大鴉一樹に一羽彼岸墓地 阿部みどり女 彼岸 春, 仲春 時候 0v
天と地に別れ別れに十三夜 阿部みどり女 後の月 秋, 晩秋 天文 0v
夫の留守朝顔の苗育てけり 阿部みどり女 朝顔 秋, 初秋 植物 0v
夫婦してわき目もふらず年木結ふ 阿部みどり女 年木 新年 生活 0v
姉すめば代り坐りぬ秋鏡 阿部みどり女 秋 秋, 三秋 時候 0v
子の名呼べば返るは寒の風の音 阿部みどり女 冬の風 冬, 三冬 天文 0v
子を負へる影に昔を春の月 阿部みどり女 春の月 春, 三春 天文 0v
子等去りて芝生俄かに冬ざるゝ 阿部みどり女 冬ざれ 冬, 三冬 時候 0v
安達太良に白雲生まれ袋掛け 阿部みどり女 袋掛 夏, 三夏 生活 0v
客を得てたのしき時や虫の宵 阿部みどり女 虫 秋, 三秋 動物 0v
家ひろし庭ひろし母と秋迎ふ 阿部みどり女 立秋 秋, 初秋 時候 0v
家居より外出尚よし春の雨 阿部みどり女 春の雨 春, 三春 天文 0v
寄り添へどとても濡れるよ夕立傘 阿部みどり女 夕立 夏, 三夏 天文 0v
寒梅や風に伏し伏し坂下る 阿部みどり女 冬の梅 冬, 晩冬 植物 0v
寒菊にいぢけて居ればきりもなし 阿部みどり女 寒菊 冬, 三冬 植物 0v
寒雷を一つころがし海暁くる 阿部みどり女 冬の雷 冬, 三冬 天文 0v
寡婦となり俄かに老けぬ黍の秋 阿部みどり女 黍 秋, 仲秋 植物 0v
小春日や眼底までも光りけり 阿部みどり女 小春日 冬, 初冬 生活 0v
小春縁さきのことなど思ふまじ 阿部みどり女 小春 冬, 初冬 時候 0v
小波の如くに雁の遠くなる 阿部みどり女 雁 秋, 晩秋 動物 0v
小波の小魚とも見えあたたかし 阿部みどり女 暖か 春, 三春 時候 0v
尼他行あやめ日に萎え空池に 阿部みどり女 あやめ 夏, 初夏 植物 0v
屋根の上凧見えそめて春近し 阿部みどり女 春近し 冬, 晩冬 時候 0v
屋根替の埃の中に立話 阿部みどり女 屋根替 春, 仲春 生活 0v
屋根替へて煤け障子に住ひけり 阿部みどり女 屋根替 春, 仲春 生活 0v
山の子が荷物持ち呉れ萩がくれ 阿部みどり女 萩 秋, 初秋 植物 0v
山の子の持てる燈や月の道 阿部みどり女 月 秋, 三秋 天文 0v
山の家見えて案山子の日和哉 阿部みどり女 案山子 秋, 三秋 生活 0v
山澄みて神見そなはす廣田かな 阿部みどり女 山澄む 秋, 三秋 地理 0v
山百合やまだ公園の整はず 阿部みどり女 山百合 夏, 仲夏 植物 0v
山眠り孫は大きく育ちけり 阿部みどり女 山眠る 冬, 三冬 地理 0v
山眠り雑木ひとしく命ため 阿部みどり女 山眠る 冬, 三冬 地理 0v
山繭のひつかかりゐる枯枝かな 阿部みどり女 天蚕 夏, 晩夏 動物 0v
山腹にかたまり凍つる墓石かな 阿部みどり女 冱つ 冬, 三冬 時候 0v
山茶花にもたれし塀や嵐あと 阿部みどり女 山茶花 冬, 初冬 植物 0v
山茶花や屋敷の如き墓の内 阿部みどり女 山茶花 冬, 初冬 植物 0v
山葡萄這ひのりもぎぬ蔓ながら 阿部みどり女 山葡萄 秋, 仲秋 植物 0v
山路やうつぎの隙の海の紺 阿部みどり女 卯の花 夏, 初夏 植物 0v
山近く山の日つよし麦を蒔く 阿部みどり女 麦蒔 冬, 初冬 生活 0v
山風のおさまれば百合草に起ち 阿部みどり女 百合の花 夏, 仲夏 植物 0v
岩つゝじ打折るひゞき掌にありぬ 阿部みどり女 岩躑躅 春, 仲春 植物 0v
岩菲插す濃霧の山の水を汲み 阿部みどり女 岩菲 夏, 三夏 植物 0v
川上も川下もわかず暖かし 阿部みどり女 暖か 春, 三春 時候 0v
川凍てて枯木の影も凍てにけり 阿部みどり女 枯木 冬, 三冬 植物 0v
川床に釣竿よりのとばつちり 阿部みどり女 川床 夏, 晩夏 生活 0v
川床や簾透く日にあとじさり 阿部みどり女 川床 夏, 晩夏 生活 0v
左義長の最後の花火か眠りけり 阿部みどり女 左義長 新年 生活 0v
市の音すれど静かや芝枯るゝ 阿部みどり女 枯芝 冬, 三冬 植物 0v
帯にふれて蓼冷かにゆれにけり 阿部みどり女 蓼 夏, 三夏 植物 0v
幌に降る雪明るけれ二の替 阿部みどり女 二の替 新年 人事 0v
幌の中に見る小鏡や初芝居 阿部みどり女 初芝居 新年 生活 0v
干傘のひつくりかへる落花かな 阿部みどり女 落花 春, 晩春 植物 0v
干物に木の葉のごとく蜂落ちし 阿部みどり女 蜂 春, 三春 動物 0v
年惜しむ太陽うつるにはたづみ 阿部みどり女 年惜しむ 冬, 晩冬 時候 0v
幻のまぶたにかへる春の闇 阿部みどり女 春の闇 春, 三春 天文 0v
座布団の宮の落葉をなつかしむ 阿部みどり女 落葉 冬, 三冬 植物 0v
庭の萩句の母にそふ女の子 阿部みどり女 萩 秋, 初秋 植物 0v
引抜けば土塊躍る野蒜かな 阿部みどり女 野蒜 春, 仲春 植物 0v
強東風によしずたふれし茶店あり 阿部みどり女 東風 春, 三春 天文 0v
弾初や声つぶれをる老師匠 阿部みどり女 弾初 新年 生活 0v
弾初や流儀ことなる姉妹 阿部みどり女 弾初 新年 生活 0v
弾初や爪びきながら老の膝 阿部みどり女 弾初 新年 生活 0v
影消える松の曇りや土筆摘む 阿部みどり女 土筆 春, 仲春 植物 0v
役僧の廊下走れる日短か 阿部みどり女 短日 冬, 三冬 時候 0v
御仏の炉辺に在はす桔梗花 阿部みどり女 桔梗 秋, 初秋 植物 0v
忙しさをたのしむ母や夏休 阿部みどり女 夏休み 夏, 晩夏 生活 0v
悴かみてペン落しつつ稿つづけ 阿部みどり女 悴む 冬, 晩冬 生活 0v
我庭に初蝶とどめがたきかな 阿部みどり女 初蝶 春, 仲春 動物 0v
戻り見れば小桶に月の供草 阿部みどり女 月見 秋, 仲秋 生活 0v
手のぬくみ野菊の瓣に及ぼしぬ 阿部みどり女 野菊 秋, 仲秋 植物 0v
手の影にあはてふためき春の蟻 阿部みどり女 蟻出づ 春, 仲春 動物 0v
手伝ひの勝手わからず春の風邪 阿部みどり女 春の風邪 春, 三春 生活 0v