阿部みどり女

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両側のつゝじ見て入る館かな 阿部みどり女 躑躅 春, 晩春 植物 0v
中々に羽子板市を去にがたく 阿部みどり女 羽子板市 冬, 仲冬 生活 0v
九十の端を忘れ春を待つ 阿部みどり女 春待つ 冬, 晩冬 時候 0v
人を得て火鉢はなやぐ時雨宿 阿部みどり女 時雨 冬, 初冬 天文 0v
人下ろして廻す舳や花曇 阿部みどり女 花曇 春, 晩春 天文 0v
人居ねば枕を出しぬ夏桔梗 阿部みどり女 夏桔梗 夏, 三夏 植物 0v
侘住もたのしきものよ栄螺焼く 阿部みどり女 栄螺 春, 三春 動物 0v
借りてさす傘美しき新樹かな 阿部みどり女 新樹 夏, 初夏 植物 0v
傘さして頬かむりして落葉焚 阿部みどり女 落葉焚く 冬, 三冬 生活 0v
光陰は竹の一節蝸牛 阿部みどり女 蝸牛 夏, 三夏 動物 0v
再びの夕立にあふ山路かな 阿部みどり女 夕立 夏, 三夏 天文 0v
冬の灯に子達を追うて寝かしけり 阿部みどり女 冬の灯 冬, 三冬 生活 0v
冬の蜂落ちてはのぼる玻璃の影 阿部みどり女 冬の蜂 冬, 三冬 動物 0v
冬晴や憩へる前のいばらの実 阿部みどり女 冬日和 冬, 仲冬 天文 0v
出逢ひたる人もそゝくさ師走街 阿部みどり女 師走 冬, 仲冬 時候 0v
初剪りの紅白の牡丹靄の中 阿部みどり女 牡丹 夏, 初夏 植物 0v
初燈虚子恒友師南無阿弥陀 阿部みどり女 初燈 新年 生活 0v
初鴉いつもの山より常の声 阿部みどり女 初鴉 新年 動物 0v
化粧して恙な忘れぬ初袷 阿部みどり女 初袷 夏, 初夏 生活 0v
北上の空に必死の冬の蝶 阿部みどり女 冬の蝶 冬, 三冬 動物 0v
北上の空へ必死の冬の蝶 阿部みどり女 冬の蝶 冬, 三冬 動物 0v
北山の時雨話や時雨冷え 阿部みどり女 時雨 冬, 初冬 天文 0v
十字架を埋めつくせる菊白し 阿部みどり女 菊 秋, 三秋 植物 0v
十月の落葉は青くあたらしく 阿部みどり女 十月 秋, 晩秋 時候 0v
又も雨がもたらす暗さ菖蒲池 阿部みどり女 菖蒲池 夏, 仲夏 地理 0v
友は立ちて我は屈みて月の門 阿部みどり女 月 秋, 三秋 天文 0v
君子蘭の鉢を抱へる力なし 阿部みどり女 君子蘭 春, 仲春 植物 0v
吾亦紅淡路女の忌の遠く近し 阿部みどり女 吾亦紅 秋, 仲秋 植物 0v
吾子の本皆片づけて夜寒かな 阿部みどり女 夜寒 秋, 晩秋 時候 0v
土塊にかくれてしまひ春の蟲 阿部みどり女 春 春, 三春 時候 0v
墓掃いて昼にかゝりぬ鵙の寺 阿部みどり女 鵙 秋, 三秋 動物 0v
声出せば鈴蟲鈴を振り出しぬ 阿部みどり女 鈴虫 秋, 初秋 動物 0v
夏草のひそかに暗く暁けにけり 阿部みどり女 夏草 夏, 三夏 植物 0v
夏蝶や花魁草にばかり来る 阿部みどり女 夏の蝶 夏, 三夏 動物 0v
夏足袋をはいて酒気帯ぶ園主かな 阿部みどり女 夏足袋 夏, 三夏 生活 0v
夏霞小舟二艘は海女が漕ぐ 阿部みどり女 夏霞 夏, 三夏 天文 0v
夕づけば明るさ斑の春田かな 阿部みどり女 春田 春, 三春 地理 0v
夕日いま百株の菊に沈まんと 阿部みどり女 菊 秋, 三秋 植物 0v
夕若葉かんしやく玉に驚ける 阿部みどり女 若葉 夏, 初夏 植物 0v
夜の卓や光りあつめて林檎あり 阿部みどり女 林檎 秋, 晩秋 植物 0v
夜の音月下美人に吸ひこまれ 阿部みどり女 月下美人 夏, 晩夏 植物 0v
夜半の燈の我に親しき風邪かな 阿部みどり女 風邪 冬, 三冬 生活 0v
夜露の蓬搗いて八十八夜かな 阿部みどり女 八十八夜 春, 晩春 時候 0v
大いなる茶屋を囲める大枯野 阿部みどり女 枯野 冬, 三冬 地理 0v
大いなる門の内より春の蝶 阿部みどり女 蝶 春, 三春 動物 0v
大原の時雨るゝとあり初だより 阿部みどり女 初便り 新年 生活 0v
大幹を花の暖簾が打ちたゝき 阿部みどり女 花 春, 晩春 植物 0v
大樽に糸瓜つけあり水澄める 阿部みどり女 糸瓜 秋, 三秋 植物 0v
大玻璃戸立てゝ枯蓮へだたりぬ 阿部みどり女 枯蓮 冬, 三冬 植物 0v
大風によろめきながら汐干狩 阿部みどり女 潮干狩 春, 晩春 生活 0v
大風に閉ざす障子や蜆汁 阿部みどり女 蜆汁 春, 三春 生活 0v
大鴉一樹に一羽彼岸墓地 阿部みどり女 彼岸 春, 仲春 時候 0v
夫婦してわき目もふらず年木結ふ 阿部みどり女 年木 新年 生活 0v
子等去りて芝生俄かに冬ざるゝ 阿部みどり女 冬ざれ 冬, 三冬 時候 0v
安達太良に白雲生まれ袋掛け 阿部みどり女 袋掛 夏, 三夏 生活 0v
客を得てたのしき時や虫の宵 阿部みどり女 虫 秋, 三秋 動物 0v
寒菊にいぢけて居ればきりもなし 阿部みどり女 寒菊 冬, 三冬 植物 0v
寒雷を一つころがし海暁くる 阿部みどり女 冬の雷 冬, 三冬 天文 0v
寡婦となり俄かに老けぬ黍の秋 阿部みどり女 黍 秋, 仲秋 植物 0v
屋根の上凧見えそめて春近し 阿部みどり女 春近し 冬, 晩冬 時候 0v
屋根替の埃の中に立話 阿部みどり女 屋根替 春, 仲春 生活 0v
屋根替へて煤け障子に住ひけり 阿部みどり女 屋根替 春, 仲春 生活 0v
山の子が荷物持ち呉れ萩がくれ 阿部みどり女 萩 秋, 初秋 植物 0v
山の家見えて案山子の日和哉 阿部みどり女 案山子 秋, 三秋 生活 0v
山澄みて神見そなはす廣田かな 阿部みどり女 山澄む 秋, 三秋 地理 0v
山百合やまだ公園の整はず 阿部みどり女 山百合 夏, 仲夏 植物 0v
山眠り孫は大きく育ちけり 阿部みどり女 山眠る 冬, 三冬 地理 0v
山眠り雑木ひとしく命ため 阿部みどり女 山眠る 冬, 三冬 地理 0v
山腹にかたまり凍つる墓石かな 阿部みどり女 冱つ 冬, 三冬 時候 0v
山葡萄這ひのりもぎぬ蔓ながら 阿部みどり女 山葡萄 秋, 仲秋 植物 0v
山路やうつぎの隙の海の紺 阿部みどり女 卯の花 夏, 初夏 植物 0v
岩つゝじ打折るひゞき掌にありぬ 阿部みどり女 岩躑躅 春, 仲春 植物 0v
岩菲插す濃霧の山の水を汲み 阿部みどり女 岩菲 夏, 三夏 植物 0v
川上も川下もわかず暖かし 阿部みどり女 暖か 春, 三春 時候 0v
川凍てて枯木の影も凍てにけり 阿部みどり女 枯木 冬, 三冬 植物 0v
左義長の最後の花火か眠りけり 阿部みどり女 左義長 新年 生活 0v
市の音すれど静かや芝枯るゝ 阿部みどり女 枯芝 冬, 三冬 植物 0v
干物に木の葉のごとく蜂落ちし 阿部みどり女 蜂 春, 三春 動物 0v
年惜しむ太陽うつるにはたづみ 阿部みどり女 年惜しむ 冬, 晩冬 時候 0v
幻のまぶたにかへる春の闇 阿部みどり女 春の闇 春, 三春 天文 0v
弾初や声つぶれをる老師匠 阿部みどり女 弾初 新年 生活 0v
弾初や爪びきながら老の膝 阿部みどり女 弾初 新年 生活 0v
役僧の廊下走れる日短か 阿部みどり女 短日 冬, 三冬 時候 0v
御仏の炉辺に在はす桔梗花 阿部みどり女 桔梗 秋, 初秋 植物 0v
忙しさをたのしむ母や夏休 阿部みどり女 夏休み 夏, 晩夏 生活 0v
悴かみてペン落しつつ稿つづけ 阿部みどり女 悴む 冬, 晩冬 生活 0v
戻り見れば小桶に月の供草 阿部みどり女 月見 秋, 仲秋 生活 0v
手の影にあはてふためき春の蟻 阿部みどり女 蟻出づ 春, 仲春 動物 0v
手伝ひの勝手わからず春の風邪 阿部みどり女 春の風邪 春, 三春 生活 0v
手拭の春雪払うてあがりけり 阿部みどり女 春の雪 春, 三春 天文 0v
折鶴蘭鏡にうつり虎落笛 阿部みどり女 虎落笛 冬, 三冬 天文 0v
捨てゝある芒の束に秋の風 阿部みどり女 秋風 秋, 三秋 天文 0v
教へ子のみな上手なる手毬哉 阿部みどり女 手毬 新年 生活 0v
旅一と日短きことよ枇杷の花 阿部みどり女 枇杷の花 冬, 初冬 植物 0v
旅鞄小さく軽し秋の蝶 阿部みどり女 秋の蝶 秋, 三秋 動物 0v
日にかざす扇小さし舟遊び 阿部みどり女 舟遊び 夏, 三夏 生活 0v
日にかざす指環きらめきし菊の庭 阿部みどり女 菊 秋, 三秋 植物 0v
日に出せば鰭動かしぬ寒金魚 阿部みどり女 寒し 冬, 三冬 時候 0v
日の光り雪とも見ゆる流れかな 阿部みどり女 雪 冬, 晩冬 天文 0v
日を見ずに暮るゝ一日や白牡丹 阿部みどり女 牡丹 夏, 初夏 植物 0v