阿部みどり女

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日に出せば鰭動かしぬ寒金魚 阿部みどり女 寒し 冬, 三冬 時候 0v
日の光り雪とも見ゆる流れかな 阿部みどり女 雪 冬, 晩冬 天文 0v
日を見ずに暮るゝ一日や白牡丹 阿部みどり女 牡丹 夏, 初夏 植物 0v
日を透す玻璃に人形師走影 阿部みどり女 師走 冬, 仲冬 時候 0v
日向ぼこ何やら心せかれゐる 阿部みどり女 日向ぼこ 冬, 三冬 生活 0v
日盛りの読経すみし僧二人 阿部みどり女 日盛り 夏, 晩夏 天文 0v
明らかに花粉とびつぐうらゝかや 阿部みどり女 麗か 春, 三春 時候 0v
春の月岸にかゞみて水を見る 阿部みどり女 春の月 春, 三春 天文 0v
春の空日の輪いくつも色となり 阿部みどり女 春の空 春, 三春 天文 0v
春の雨といへどなかなかはげしけれ 阿部みどり女 春の雨 春, 三春 天文 0v
春の雷山吹の黄が葉がくれに 阿部みどり女 春の雷 春, 三春 天文 0v
春めくといふ言の葉をくりかへし 阿部みどり女 春めく 春, 初春 時候 0v
春夜の子起しておけばいつまでも 阿部みどり女 春の夜 春, 三春 時候 0v
春水を押しくぼまして風が吹く 阿部みどり女 春の水 春, 三春 地理 0v
春海や波またぎまたぎ潮汲める 阿部みどり女 春の海 春, 三春 地理 0v
春雨に陶榻の紺深めたり 阿部みどり女 春雨 春, 三春 天文 0v
昼の暗月下美人の花底に 阿部みどり女 月下美人 夏, 晩夏 植物 0v
昼寝ともつかず打ち伏す疲れかな 阿部みどり女 昼寝 夏, 三夏 生活 0v
昼寝子を其まゝにして簾かな 阿部みどり女 簾 夏, 三夏 生活 0v
昼畳七夕様の塵を掃く 阿部みどり女 七夕 秋, 初秋 生活 0v
時計見てベンチを立てり冬の人 阿部みどり女 冬 冬, 三冬 時候 0v
晩秋の紫苑の風にすがる虫 阿部みどり女 晩秋 秋, 晩秋 時候 0v
晩秋や梯子の足に柿の籠 阿部みどり女 晩秋 秋, 晩秋 時候 0v
暗がりを出て来し人や月の道 阿部みどり女 月 秋, 三秋 天文 0v
曇り来て田植の笠も曇りけり 阿部みどり女 田植 夏, 仲夏 生活 0v
更けゆく夜暖炉の奥に海鳴りす 阿部みどり女 暖炉 冬, 三冬 生活 0v
月か雪か知らずとつとつ更けにけり 阿部みどり女 雪 冬, 晩冬 天文 0v
月下美人あしたに伏して命あり 阿部みどり女 月下美人 夏, 晩夏 植物 0v
月下美人一分の隙もなきしじま 阿部みどり女 月下美人 夏, 晩夏 植物 0v
朝よりは宵の香うすき花蜜柑 阿部みどり女 蜜柑の花 夏, 初夏 植物 0v
朝よりも鳴かぬカナリア風邪ごもり 阿部みどり女 風邪 冬, 三冬 生活 0v
木犀の香に立ちよりて香になるゝ 阿部みどり女 木犀 秋, 晩秋 植物 0v
木苺のしみのつきたる旅衣 阿部みどり女 木苺 夏, 初夏 植物 0v
末枯の水たゝへある瓶二つ 阿部みどり女 末枯 秋, 晩秋 植物 0v
末枯れの多摩の流れは垣の上を 阿部みどり女 末枯 秋, 晩秋 植物 0v
札納めて賑ふ町に小買物 阿部みどり女 札納 冬, 晩冬 人事 0v
札納めて遠く拝しぬ帰りぎは 阿部みどり女 札納 冬, 晩冬 人事 0v
杉の花粉黄粉のごとく卓上に 阿部みどり女 杉の花粉 春, 晩春 時候 0v
来客やしまひおくれし籠枕 阿部みどり女 籠枕 夏, 三夏 生活 0v
来客や貼りかけ障子縁に出す 阿部みどり女 障子貼る 秋, 仲秋 生活 0v
東風の岸下駄をつないで持つ子かな 阿部みどり女 東風 春, 三春 天文 0v
松の内足の痛みになまけ蟲 阿部みどり女 松の内 新年 時候 0v
松の葉のこぞりて光り寒きびし 阿部みどり女 寒し 冬, 三冬 時候 0v
松伐られゆく麓より威銃 阿部みどり女 威銃 秋, 三秋 生活 0v
松島に一夜を明かす冬の蝶 阿部みどり女 冬の蝶 冬, 三冬 動物 0v
松島の若葉に没す夕鴉 阿部みどり女 若葉 夏, 初夏 植物 0v
松虫に吾家の風呂は小さくも 阿部みどり女 松虫 秋, 初秋 動物 0v
松虫や子等静まれば夜となる 阿部みどり女 松虫 秋, 初秋 動物 0v
板三枚渡しありまひまひ藻を廻る 阿部みどり女 藻の花 夏, 仲夏 植物 0v
枇杷積んだ馬が通りぬ屋敷内 阿部みどり女 枇杷 夏, 仲夏 植物 0v
枯菊に帚塵取休みをり 阿部みどり女 枯菊 冬, 三冬 植物 0v
柿の枝盆を餘りて風情とす 阿部みどり女 柿 秋, 晩秋 植物 0v
桃晃の豆に鬼ども逃げ失せし 阿部みどり女 節分 冬, 晩冬 時候 0v
案内の子は道草を秋の蝶 阿部みどり女 秋の蝶 秋, 三秋 動物 0v
桔梗の蕾をぽんと鳴らしけり 阿部みどり女 桔梗 秋, 初秋 植物 0v
桟橋や傘すれ合うて春の雨 阿部みどり女 春の雨 春, 三春 天文 0v
梅雨鏡袖にぬぐひ見て客の前 阿部みどり女 梅雨 夏, 仲夏 天文 0v
棕櫚の葉の夕べはしづか豆を撒く 阿部みどり女 豆撒 冬, 晩冬 生活 0v
椎の実や落葉の上に落ちし音 阿部みどり女 椎の実 秋, 晩秋 植物 0v
椎の葉のざわめき合ひぬ春の雪 阿部みどり女 春の雪 春, 三春 天文 0v
樹の下に遍路が一人雨やどり 阿部みどり女 遅き日 春, 三春 時候 0v
橋の上に顔覗かれぬ汐干舟 阿部みどり女 潮干船 春, 晩春 生活 0v
櫛つけて清水にさつと薄油 阿部みどり女 清水 夏, 三夏 地理 0v
此所早く落葉被りぬ秋の宮 阿部みどり女 落葉 冬, 三冬 植物 0v
歩み来て辛夷の下に話しけり 阿部みどり女 辛夷 春, 仲春 植物 0v
歩み止めば音何もなし落葉かな 阿部みどり女 落葉 冬, 三冬 植物 0v
死を悼むこころを縛す夜長かな 阿部みどり女 夜長 秋, 三秋 時候 0v
母としてねぎごと多し初詣 阿部みどり女 初芝居 新年 生活 0v
母にからみて月の二階を下りにけり 阿部みどり女 月 秋, 三秋 天文 0v
母を中に冬の燈下の旅ばなし 阿部みどり女 冬の灯 冬, 三冬 生活 0v
母遂に上り来ず月の二階かな 阿部みどり女 月 秋, 三秋 天文 0v
水を汲む豊かな音に夏暁けぬ 阿部みどり女 夏の暁 夏, 三夏 時候 0v
水盤に一人きりなる昼餉かな 阿部みどり女 水盤 夏, 三夏 生活 0v
水鳥に胸おしつけて舟下ろす 阿部みどり女 水鳥 冬, 三冬 動物 0v
氷柱雫下葉に受けし氷柱かな 阿部みどり女 氷柱 冬, 晩冬 地理 0v
氷砕けて実南天の蔭にありし 阿部みどり女 氷 冬, 晩冬 時候 0v
汝を世に送る大いなる夜の師走 阿部みどり女 師走 冬, 仲冬 時候 0v
沈丁や風の吹く日は香を失す 阿部みどり女 沈丁花 春, 三春 植物 0v
河岸の風初荷の旗に吹き募る 阿部みどり女 初荷 新年 生活 0v
沼の水月を動かし雁渡る 阿部みどり女 雁 秋, 晩秋 動物 0v
法師蝉ばかりの昼や百花園 阿部みどり女 法師蝉 秋, 初秋 動物 0v
法師蝉家込みながら椎の庭 阿部みどり女 法師蝉 秋, 初秋 動物 0v
注連はるや神も仏も一つ棚 阿部みどり女 注連飾 新年 生活 0v
注連張るや神も仏も一つ棚 阿部みどり女 注連飾 新年 生活 0v
洋蘭と起き伏し七曜過ぎにけり 阿部みどり女 蘭 秋, 仲秋 植物 0v
流したる七夕竹やたはれ波 阿部みどり女 七夕 秋, 初秋 生活 0v
浦人の千鳥を知らぬうらゝかや 阿部みどり女 麗か 春, 三春 時候 0v
海の風アーチのばらにことごとく 阿部みどり女 薔薇 夏, 初夏 植物 0v
海も山も弥生を待つてゐたりけり 阿部みどり女 弥生 春, 晩春 時候 0v
海穏か布団たゝんで縁に立つ 阿部みどり女 春の海 春, 三春 地理 0v
海面に雨粒置けり秋の潮 阿部みどり女 秋の潮 秋, 三秋 地理 0v
消え去るは君のみならず夏落葉 阿部みどり女 常磐木落葉 夏, 初夏 植物 0v
淋しさや筒よりぬけし萩にこそ 阿部みどり女 萩 秋, 初秋 植物 0v
淡路女忌過ぎても初蝶訪れず 阿部みどり女 初蝶 春, 仲春 動物 0v
渡殿にはりつく花や嵐あと 阿部みどり女 花 春, 晩春 植物 0v
渡殿や人行き交うてお霜月 阿部みどり女 霜月 冬, 仲冬 時候 0v
満潮の松島湾に藻刈屑 阿部みどり女 藻刈 夏, 三夏 生活 0v
潅仏のお寺の庭に手毬つき 阿部みどり女 仏生会 春, 晩春 人事 0v
潦そのまゝ寒の水となる 阿部みどり女 寒の水 冬, 晩冬 地理 0v
潦花圃をめぐりぬ春の雨 阿部みどり女 春の雨 春, 三春 天文 0v